Life Worker

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トランプ相場について考える

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  1. なぜ、トランプ大統領によって為替が動いたのか?

  2. ドル・円の為替見通し
  3. リスク要因

1.なぜ、トランプ大統領によって為替が動いたのか?

 トランプ大統領就任後、ドル・円の為替レートは、1ドル101円の為替レートから、11月29日現在、1ドル112円まで為替レートが円安方向に動きましたね。

 それでは、なぜここまで為替レートが円安方向に動いたかといいますと、トランプ大統領の公約として掲げられておりました莫大なインフラ投資が大きく為替レートを動かしたと考えられます。

 そもそも、莫大なインフラ投資を行うと為替が動くのかといいますと、インフラ投資を行うために、資金を調達しないといけません。ですので、国債の発行が考えられます。国債を大量に発行し、調達した資金によって公共事業(道路や信号、鉄道など)の整備を行います。この国債の大量発行により、今までの金利での発行は、できないため金利が上昇します(国債の大量発行により、既存の国債の価値が下がるという見立てもできます)。すると、アメリカ国内の金利上昇し始め、低金利の国などからアメリカの金利は魅力だということでドルで預けようというわけです。特に日本は、マイナス金利政策等により、超低金利などで、日本からも円で預けるよりドルで預けておいたほうがお得だという圧力がかかり、円を売ってドルを買う、すなわちドル高/円安となるわけです。

2.ドル・円の為替見通し

 それでは、次に為替の見通しですが、筆者自身は、1ドル120円をつけると思っております。というのも、日本は、マイナス金利という政策を行っておりますので、低位で金利が安定しております。このような政策をしていなければ、先進国のアメリカが金利の上昇を受けたことにより、日本も金利が上がりやすくなるのが通常です。ただ、今回も少しばかり日本の金利は、上昇致しましたが、アメリカの金利の上昇から比べると比較的、低位で落ち着いております。ですので、今後、トランプ大統領が公約に掲げております莫大なインフラ投資が実際に実現すれば、これから本格的にアメリカの金利は上昇してきます。また、アメリカは政策金利も引き上げを図っており、アメリカの長期金利は、さらに上昇しやすいと考えられます。今まで政策金利の引き上げをくすぶっておりましたが、その理由として物価の上昇が鈍かったことが挙げられています。政策金利を引き上げると、金利の上昇によりドル高が進行しやすくなるため、輸入物価が下がります。なので、物価が安定していない状態で、政策金利を引き上げてしまいますと、物価が下がってしまい、デフレの懸念すら出てきてしまいます。ただ、今回莫大なインフラ投資を行う予定ですので、物価にとっては上昇圧力がかかります。(不動産価値等の上昇が見込まれるため)

これらの政策により、政策金利をあげやすい環境が整ったといえます。それだけ、政策金利をあげたとしても物価は、安定するだろうと考えられるからです。

他にも、トランプ大統領の保護主義など、こちらも物価に上昇圧力を与えます。保護主義とは、自国の産業を守るため関税の撤廃を廃止するような考え方です。なので輸入する際は、高い価格での貿易となり、物価に上昇圧力がかかります。

これらのトランプ大統領の公約やアメリカの金融政策などからも金利上昇圧力が、かかりやすくドル・円は、1ドル120円くらいまでは、いくのではないかと考えます。

 

3.リスク要因

 あっさりと1ドル120円くらいまでは、いくのでは?と考えてらっしゃる方も多いと思いますが、私はリスク要因が日一つあると考えております。それが、公約にしております莫大なインフラ投資が問題なく行われるかです。それはなぜかと言いますと、インフラ投資を行うための、資金の確保ですね。そのため、財政緩和すなわち国債の発行をしないといけないということで、現在アメリカでは、債務の上限問題ということもあり、追加での国債発行は、厳しい状態が続いております。この問題が3月にあり、債務の上限の撤廃、もしくは、引き上げをしないといけません。これを議会で話し合い無難に通過させる必要があります。しかし、今回の選挙で上下両院共和党が制しておりますので、通過は、しやすくなったと思います。ただ、共和党員のなかにもトランプ大統領を支持しない人もおりますので、そのあたりが懸念材料です。